さくらんぼは育ちがとてもわがままな果物

さくらんぼを収穫して食べられるのは、一年の中で、6月中旬から7月上旬の僅か1ヶ月足らずです。
そして、収穫を終えてすぐ来年へ向けたスタートです。
一年間を通して、丹精込めて面倒を看てやらないと、おいしい実を付けてくれない、とてもわがままな果物です。

当園の土壌は他と比べ粘土質で、市街地より高台にあるため乾燥せず、特長ある甘みを出す要因になっております。また
、昨年収穫した直後に弱っている木々にここで土に養分をたっぷり与えておきます。有機肥料など自然に近い栄養のある肥料を与えます。木が元気を取り戻してきます。

   
 さくらんぼガーデン山形の一年間の作業

  ◎冬の終わりころ

3月頃に剪定作業から4月の上旬まで行います。
3月から剪定作業と同時に摘雷作業花芽の数を減らします。花芽の沢山ついているかたまりを2個や3個に減らします。


◎雪解けすぐに

苗木植えなど


◎花の咲くころ

4月下旬から5月上旬にかけてさくらんぼの花が満開になります。満開時に交配作業をします。他の品種の花の花粉を雌しべにつけます。毛バタキを使って人の手で花粉つけもしますが、ミツバチやマメコバチなどで受粉もします。また、当園では実の数をバランス良くするために摘花作業をします。
この頃には草も伸び始めますので、虫対策として草を刈ります。



◎まだ実の青いころ 花後約15日後

花が散ったあと、さくらんぼの枝に青い実が沢山つきます。花粉がうまくつかないものも多くあり、大きく育つ前に地面に落ちるものもあります。落ちそうで落ちない実は取って落としてあげた方が病気が付きません。



◎赤く色づき始めるころ

さくらんぼの実がだんだんと大きくなって色づき始めると、鳥がさくらんぼを食べに来ます。ムクドリ、カラスやヒヨドリも最近では食べに来ます。野鳥に食べられないようにする対策としては、

●網を張る
●目玉のような絵がかいてあるものを吊る
●爆音機(ガス鉄砲)を鳴らす

さくらんぼが色づくには太陽の光を受けるのが一番ですが、日当たりの悪い下側にもシルバーシートを敷き、十分光を与えてあげます。


この頃から実に水分を多量に与えると、さくらんぼの実は表面の小さな穴から水分を吸い込みパンクしてしまいます。当園では雨よけハウスを建てて畑全面を覆っていますが、本数が少ない場合は簡易的に木の上にビニールの屋根をつくります。その際ビニールが直接葉や実に触れると熱で焼けてしまうので注意してください。雨避け用にビニールハウスを建てて畑を覆ってますが、サクランボの実が水分を取り過ぎて割れない様にする為です。




◎もぎ取り

6月中旬か7月上旬です。さくらんぼはとてもデリケートな果物なので収穫作業はとても慎重に行います。
実を直接つまんで取るとジクがもげます。ジクをつまみながらゆっくり取ります。
熟すのも日当たりの良い所から順番に熟すので一度にまとめて取ることは出来ません。赤く熟した食べごろのものだけを選んで取ります。数日後には熟していないさくらんぼも美味しくなります。



◎秋の季節

収穫後は木も栄養がなくなるので肥料を与えます
土質の悪いところには有機質の肥料を与えます
肥料をあげすぎると、葉ばかりが生い茂り、花が咲かなくなっている場合は肥料の与え過ぎです。
施肥時期ですが収穫直後と秋さらに春にと別けて施す場合が多いのです



◎冬の季節

雪が多くふる降るため、その重みで大事な木の枝が折れることもあります。定期的に雪を落としてあげます。また、雨樋に積もった雪も時々ハウスに上って雪下ろしをします。